国道特36号
起点 ~奈川縣横濱市
磯子區六浦町
終点 ~奈川縣鎌倉郡
大船町
延長 11.5 km
制定日 昭和17年1月24日
改正履歴 なし
全体図 Download : MR-36.trk (トラックファイル)
神奈川県道23号 相武トンネル
国道特36号は太平洋戦時下の昭和17年に指定された国道で,旧国道31号(現国道16号)の六浦から大船(推定大船駅)とを結ぶ.

現在の路線は神奈川県道23号(環状4号)となっており,国道1号と国道16号とを結ぶ路線としての幹線路となっている.

この路線の目的は昭和13年に設置された大船(現:本郷台)の海軍第一燃料廠(航空燃料の研究開発)と海軍横須賀航空隊(追浜飛行場)とを国道特23号を介在させて接続させるものでさらには,軍事輸送において東海道線と横須賀線との分岐点となる大船駅を考慮した路線設定であった.

また,大船駅前には旧東洋高圧工業株式会社(現在の三井化学)の工場があり,ここでは合成接着剤であるウレア樹脂の製造を行っていたことからも,軍事生産拠点としての大船との接続は重要度が高いと判断される要因はあった可能性がある.

国道としての指定を受けてから,この道路の突貫工事が進み,昭和18年には六浦から笠間十字路間までが開通した(神奈川県栄区 栄区のあゆみ)

笠間十字路間までが」と書き記したのも,それ以前より追浜飛行場と厚木飛行場とをつなぐ道路が計画されており,特36号国道はその一区間をなすものとなっているからである.最終的には終戦までに横須賀と厚木を結ぶ軍事国道は結実することはなかったが,最後の軍事国道−国道特41号−は「笠間十字路間」から藤沢へと伸びていく.

昭和38年 環状4号 大船PXゲート前
なお,国道特36号の中間地点に位置する海軍燃料廠は昭和16年に第一から第六まで改編設置された.その第一燃料廠が大船となっている.

他の燃料廠の所在は,第二燃料廠 四日市(三重県),第三燃料廠 徳山(山口県),第四燃料廠 新原(福岡県),第五燃料廠 平壌、第六燃料廠 台湾となっていた.

戦後,四日市および徳山は石油化学コンビナートへ技術が引き継がれていくが,大船はアメリカ軍による接収を受け「大船PX」となり,返還後は「本郷台」と地名を変更し住宅地化された.

【参考】


[2006.07.01作成]