○道路構造令 |
道路構造令をここに公布する。 |
昭和四十五年十月二十九日 政令第三百二十号 最終改正:平成一三年四月二五日 政令第百七十号 |
道路構造令 内閣は、道路法(昭和27年法律第180号)第30条第1項及び第2項の規定に基づき、この政令を制定する。 (この政令の趣旨) 第一条 この政令は、道路を新設し、又は改築する場合における道路の構造の一般的技術的基準を定めるものとする。 (用語の定義 ) 第二条 この政令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 歩道 専ら歩行者の通行の用に供するために、縁石線又はさくその他これに類する工作物により区画して設けられる道路の部分をいう。 二 自転車道 専ら自転車の通行の用に供するために、縁石線又はさくその他これに類する工作物により区画して設けられる道路の部分をいう。 三 自転車歩行者道 専ら自転車及び歩行者の通行の用に供するために、縁石線又はさくその他これに類する工作物により区画して設けられる道路の部分をいう。 四 車道 専ら車両の通行の用に供することを目的とする道路の部分(自転車道を除く。)をいう。 五 車線 一縦列の自動車を安全かつ円滑に通行させるために設けられる帯状の車道の部分(副道を除く。)をいう。 六 登坂車線 上り勾配の道路において速度の著しく低下する車両を他の車両から分離して通行させることを目的とする車線をいう。 七 屈折車線 自動車を右折させ、又は左折させることを目的とする車線をいう。 八 変速車線 自動車を加速させ、又は減速させることを目的とする車線をいう。 九 中央帯 車線を往復の方向別に分離し、及び側方余裕を確保するために設けられる帯状の道路の部分をいう。 九の二 副道 盛土、切土等の構造上の理由により車両の沿道への出入りが妨げられる区間がある場合に当該出入りを確保するため、当該区間に並行して設けられる帯状の車道の部分をいう。 十 路肩 道路の主要構造部を保護し、又は車道の効用を保つために、車道、歩道、自転車道又は自転車歩行者道に接続して設けられる帯状の道路の部分をいう。 十一 側帯 車両の運転者の視線を誘導し、及び側方余裕を確保する機能を分担させるために、車道に接続して設けられる帯状の中央帯又は路肩の部分をいう。 十二 停車帯 主として車両の停車の用に供するために設けられる帯状の車道の部分をいう。 十二の二 軌道敷 専ら路面電車(道路交通法 (昭和三十五年法律第百五号)第二条第一項第十三号 に規定する路面電車をいう。以下同じ。)の通行の用に供することを目的とする道路の部分をいう。 十三 交通島 車両の安全かつ円滑な通行を確保し、又は横断する歩行者若しくは乗合自動車若しくは路面電車に乗降する者の安全を図るために、交差点、車道の分岐点、乗合自動車の停留所、路面電車の停留場等に設けられる島状の施設をいう。 十三の二 植樹帯 専ら良好な道路交通環境の整備又は沿道における良好な生活環境の確保を図ることを目的として、樹木を植栽するために縁石線又はさくその他これに類する工作物により区画して設けられる帯状の道路の部分をいう。 十四 路上施設 道路の附属物(共同溝及び電線共同溝を除く。)で歩道、自転車道、自転車歩行者道、中央帯、路肩、自転車専用道路、自転車歩行者専用道路又は歩行者専用道路に設けられるものをいう。 十五 都市部 市街地を形成している地域又は市街地を形成する見込みの多い地域をいう。 十六 地方部 都市部以外の地域をいう。 十七 計画交通量 道路の設計の基礎とするために、当該道路の存する地域の発展の動向、将来の自動車交通の状況等を勘案して、国土交通省令で定めるところにより、当該道路の新設又は改築に関する計画を策定する者で国土交通省令で定めるものが定める自動車の日交通量をいう。 十八 設計速度 道路の設計の基礎とする自動車の速度をいう。 十九 視距 車線(車線を有しない道路にあつては、車道。以下この号において同じ。)の中心線上一・二メートルの高さから当該車線の中心線上にある高さ十センチメートルの物の頂点を見とおすことができる距離を当該車線の中心線に沿つて測つた長さをいう。 (道路の区分) 第三条 道路は、次の表に定めるところにより、第一種から第四種までに区分するものとする。
2 第一種の道路は、第一号の表に定めるところにより第一級から第四級までに、第二種の道路は、第二号の表に定めるところにより第一級又は第二級に、第三種の道路は、第三号の表に定めるところにより第一級から第五級までに、第四種の道路は、第四号の表に定めるところにより第一級から第四級までに、それぞれ区分するものとする。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、該当する級が第一種第四級、第二種第二級、第三種第五級又は第四種第四級である場合を除き、該当する級の一級下の級に区分することができる。 一 第一種の道路
二 第二種の道路
三 第三種の道路
四 第四種の道路
3 前二項の規定による区分は、当該道路の交通の状況を考慮して行なうものとする。 (設計車両) 第四条 道路の設計にあたつては、第一種、第二種、第三種第一級又は第四種第一級の道路にあつては小型自動車及びセミトレーラ連結車(自動車と前車軸を有しない被牽引車との結合体であつて、被牽引車の一部が自動車にのせられ、かつ、被牽引車及びその積載物の重量の相当の部分が自動車によつてささえられるものをいう。以下同じ。)が、その他の道路にあつては小型自動車及び普通自動車が安全かつ円滑に通行することができるようにするものとする。 2 道路の設計の基礎とする自動車(以下「設計車両」という。)の種類ごとの諸元は、それぞれ次の表に掲げる値とする
この表において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 前端オーバハング 車体の前面から前輪の車軸の中心までの距離をいう。 二 軸距 前輪の車軸の中心から後輪の車軸の中心までの距離をいう。 三 後端オーバハング 後輪の車軸の中心から車体の後面までの距離をいう。 (車線等) 第五条 車道(副道、停車帯その他国土交通省令で定める部分を除く。)は、車線により構成されるものとする。ただし、第三種第五級又は第四種第四級の道路にあつては、この限りでない。 2 道路の区分及び地方部に存する道路にあつては地形の状況に応じ、計画交通量が次の表の設計基準交通量(自動車の最大許容交通量をいう。以下同じ。)の欄に掲げる値以下である道路の車線(登坂車線、屈折車線及び変速車線を除く。以下この条において同じ。)の数は、二とする。
3 前項に規定する道路以外の道路(第二種の道路で対向車線を設けないもの並びに第三種第五級及び第四種第四級の道路を除く。)の車線の数は四以上(交通の状況により必要がある場合を除き、二の倍数)、第二種の道路で対向車線を設けないものの車線の数は二以上とし、当該道路の区分及び地方部に存する道路にあつては地形の状況に応じ、次の表に掲げる一車線あたりの設計基準交通量に対する当該道路の計画交通量の割合によつて定めるものとする。
4 車線の幅員は、道路の区分に応じ、次の表の車線の幅員の欄に掲げる値とするものとする。ただし、第一種第一級若しくは第二級、第三種第二級又は第四種第一級の道路にあつては、交通の状況により必要がある場合においては、同欄に掲げる値に〇・二五メートルを加えた値、第二種第一級の道路にあつては、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、同欄に掲げる値から〇・二五メートルを減じた値とすることができる。
5 第三種第五級又は第四種第四級の道路の車道の幅員は、四メートルとするものとする。ただし、当該道路の計画交通量がきわめて少なく、かつ、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合又は第三十一条の二の規定により車道に狭窄部を設ける場合においては、三メートルとすることができる。 (車線の分離等) 第六条 車線(登坂車線、屈折車線及び変速車線を除く。以下この条において同じ。)の数が四以上である第一種、第二種又は第三種第一級の道路(対向車線を設けない道路を除く。)の車線は、往復の方向別に分離するものとする。車線の数が四以上であるその他の道路について、安全かつ円滑な交通を確保するため必要がある場合においても、同様とする。 2 車線を往復の方向別に分離するため必要があるときは、中央帯を設けるものとする。 3 中央帯の幅員は、当該道路の区分に応じ、次の表の中央帯の幅員の欄の上欄に掲げる値以上とするものとする。ただし、長さ百メートル以上のトンネル、長さ五十メートル以上の橋若しくは高架の道路又は地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない箇所については、同表の中央帯の幅員の欄の下欄に掲げる値まで縮小することができる。
4 中央帯には、側帯を設けるものとする。 5 前項の側帯の幅員は、道路の区分に応じ、次の表の中央帯に設ける側帯の幅員の欄に掲げる値とするものとする。
6 中央帯のうち側帯以外の部分(以下「分離帯」という。)には、さくその他これに類する工作物を設け、又は側帯に接続して緑石線を設けるものとする。 7 分離帯に路上施設を設ける場合においては、当該中央帯の幅員は、第十二条の建築限界を勘案して定めるものとする。 (副道) 第七条 車線(登坂車線、屈折車線及び変速車線を除く。)の数が四以上である第三種又は第四種の道路には、必要に応じ、副道を設けるものとする。 2 副道の幅員は、四メートルを標準とするものとする。 (路肩) 第八条 道路には、車道に接続して、路肩を設けるものとする。ただし、中央帯又は停車帯を設ける場合においては、この限りでない。 2 車道の左側に設ける路肩の幅員は、道路の区分に応じ、次の表の車道の左側に設ける路肩の幅員の欄の上欄に掲げる値以上とするものとする。ただし、登坂車線若しくは変速車線を設ける箇所、長さ五十メートル以上の橋若しくは高架の道路又は地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない箇所については、同表の車道の左側に設ける路肩の幅員の欄の下欄に掲げる値まで縮小することができる。
3 車道の右側に設ける路肩の幅員は、道路の区分に応じ、次の表の車道の右側に設ける路肩の幅員の欄に掲げる値以上とするものとする。
4 トンネルの車道に接続する路肩の幅員は、第一種第一級又は第二級の道路にあつては一メートルまで、第一種第三級又は第四級の道路にあつては〇・七五メートルまで、第三種(第五級を除く。)の道路にあつては〇・五メートルまで縮小することができる。 5 副道に接続する路肩については、第二項の表第三種の項車道の左側に設ける路肩の幅員の欄の上欄中「一・二五」とあり、及び「〇・七五」とあるのは、「〇・五」とし、第二項ただし書の規定は適用しない。 6 歩道、自転車道又は自転車歩行者道を設ける道路にあつては、道路の主要構造部を保護し、又は車道の効用を保つために支障がない場合においては、車道に接続する路肩を設けず、又はその幅員を縮小することができる。 7 第一種又は第二種の道路の車道に接続する路肩には、側帯を設けるものとする。 8 前項の側帯の幅員は、道路の区分に応じ、次の表の路肩に設ける側帯の幅員の欄の上欄に掲げる値とする。ただし、トンネルの車道に接続する路肩に設ける側帯の幅員は、同表の路肩に設ける側帯の幅員の欄の下欄に掲げる値とすることができる。
9 道路の主要構造部を保護するため必要がある場合においては、歩道、自転車道又は自転車歩行者道に接続して、路端寄りに路肩を設けるものとする。 10 車道に接続する路肩に路上施設を設ける場合においては、当該路肩の幅員については、第二項の表の車道の左側に設ける路肩の幅員の欄又は第三項の表の車道の右側に設ける路肩の幅員の欄に掲げる値に当該路上施設を設けるのに必要な値を加えてこれらの規定を適用するものとする。 (停車帯) 第九条 第四種(第四級を除く。)の道路には、自動車の停車により車両の安全かつ円滑な通行が妨げられないようにするため必要がある場合においては、車道の左端寄りに停車帯を設けるものとする。 2 停車帯の幅員は、二・五メートルとするものとする。ただし、自動車の交通量のうち大型の自動車の交通量の占める割合が低いと認められる場合においては、一・五メートルまで縮小することができる。 (軌道敷) 第九条の二 軌道敷の幅員は、執道の単線又は複線の別に応じ、次の表の下欄に掲げる値以上とするものとする。
(自転車道) 第十条 自動車及び自転車の交通量が多い第三種又は第四種の道路には、自転車道を道路の各側に設けるものとする。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。 2 自転車の交通量が多い第三種若しくは第四種の道路又は自動車及び歩行者の交通量が多い第三種若しくは第四種の道路(前項に規定する道路を除く。)には、安全かつ円滑な交通を確保するため自転車の通行を分離する必要がある場合においては、自転車道を道路の各側に設けるものとする。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。 3 自転車道の幅員は、二メートル以上とするものとする。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、一・五メートルまで縮小することができる。 4 自転車道に路上施設を設ける場合においては、当該自転車道の幅員は、第十二条の建築限界を勘案して定めるものとする。 5 自転車道の幅員は、当該道路の自転車の交通の状況を考慮して定めるものとする。 (自転車歩行者道) 第十条の二 自動車の交通量が多い第三種又は第四種の道路(自転車道を設ける道路を除く。)には、自転車歩行者道を道路の各側に設けるものとする。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。 2 自転車歩行者道の幅員は、歩行者の交通量が多い道路にあつては四メートル以上、その他の道路にあつては三メートル以上とするものとする。 3 横断歩道橋若しくは地下横断歩道(以下「横断歩道橋等」という。)又は路上施設を設ける自転車歩行者道の幅員については、前項に規定する幅員の値に横断歩道橋等を設ける場合にあつては三メートル、ベンチの上屋を設ける場合にあつては二メートル、並木を設ける場合にあつては一・五メートル、ベンチを設ける場合にあつては一メートル、その他の場合にあつては〇・五メートルを加えて同項の規定を適用するものとする。ただし、第三種第五級又は第四種第四級の道路にあつては、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。 4 自転車歩行者道の幅員は、当該道路の自転車及び歩行者の交通の状況を考慮して定めるものとする。 (歩道) 第十一条 第四種(第四級を除く。)の道路(自転車歩行者道を設ける道路を除く。)、歩行者の交通量が多い第三種(第五級を除く。)の道路(自転車歩行者道を設ける道路を除く。)又は自転車道を設ける第三種若しくは第四種第四級の道路には、その各側に歩道を設けるものとする。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。 2 第三種又は第四種第四級の道路(自転車歩行者道を設ける道路及び前項に規定する道路を除く。)には、安全かつ円滑な交通を確保するため必要がある場合においては、歩道を設けるものとする。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。 3 歩道の幅員は、歩行者の交通量が多い道路にあつては三・五メートル以上、その他の道路にあつては二メートル以上とするものとする。 4 横断歩道橋等又は路上施設を設ける歩道の幅員については、前項に規定する幅員の値に横断歩道橋等を設ける場合にあつては三メートル、ベンチの上屋を設ける場合にあつては二メートル、並木を設ける場合にあつては一・五メートル、ベンチを設ける場合にあつては一メートル、その他の場合にあつては〇・五メートルを加えて同項の規定を適用するものとする。ただし、第三種第五級又は第四種第四級の道路にあつては、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。 5 歩道の幅員は、当該道路の歩行者の交通の状況を考慮して定めるものとする。 (歩行者の滞留の用に供する部分) 第十一条の二 歩道、自転車歩行者道、自転車歩行者専用道路又は歩行者専用道路には、横断歩道、乗合自動車停車所等に係る歩行者の滞留により歩行者又は自転車の安全かつ円滑な通行が妨げられないようにするため必要がある場合においては、主として歩行者の滞留の用に供する部分を設けるものとする。 (積雪地域に存する道路の中央帯等の幅員) 第十一条の三 積雪地域に存する道路の中央帯、路肩、自転車歩行者道及び歩道の幅員は、除雪を勘案して定めるものとする。 (植樹帯) 第十一条の四 第四種第一級及び第二級の道路には、植樹帯を設けるものとし、その他の道路には、必要に応じ、植樹帯を設けるものとする。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。 2 植樹帯の幅員は、一・五メートルを標準とするものとする。 3 次に掲げる道路の区間に設ける植樹帯の幅員は、当該道路の構造及び交通の状況、沿道の土地利用の状況並びに良好な道路交通環境の整備又は沿道における良好な生活環境の確保のため講じられる他の措置を総合的に勘案して特に必要があると認められる場合には、前項の規定にかかわらず、その事情に応じ、同項の規定により定められるべき値を超える適切な値とするものとする。 一 都心部又は景勝地を通過する幹線道路の区間 二 相当数の住居が集合し、又は集合することが確実と見込まれる地域を通過する幹線道路の区間 4 植樹帯の植栽に当たつては、地域の特性等を考慮して、樹種の選定、樹木の配置等を適切に行うものとする。 (建築限界) 第十二条 建築限界は、車道にあつては第一図、歩道及び自転車道又は自転車歩行者道(以下「自転車道等」という。)にあつては第二図に示すところによるものとする。 第一図
第二図
(設計速度) 第十三条 道路(副道を除く。)の設計速度は、道路の区分に応じ、次の表の設計速度の欄の上欄に掲げる値とする。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、高速自動車国道である第一種第四級の道路を除き、同表の設計速度の欄の下欄に掲げる値とすることができる。
2 副道の設計速度は、一時間につき、四十キロメートル、三十キロメートル又は二十キロメートルとする。 (車道の屈曲部) 第十四条 車道の屈曲部は、曲線形とするものとする。ただし、緩和区間(車両の走行を円滑ならしめるために車道の屈曲部に設けられる一定区間をいう。以下同じ。)又は第三十一条の二の規定により設けられる屈曲部については、この限りでない。 (曲線半径) 第十五条 車道の屈曲部のうち緩和区間を除いた部分(以下「車道の曲線部」という。)の中心線の曲線半径(以下「曲線半径」という。)は、当該道路の設計速度に応じ、次の表の曲線半径の欄の上欄に掲げる値以上とするものとする。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない箇所については、同表の曲線半径の欄の下欄に掲げる値まで縮小することができる。
(曲線部の片勾配) 第十六条 車道、中央帯(分離帯を除く。)及び車道に接続する路肩の曲線部には、曲線半径がきわめて大きい場合を除き、当該道路の区分及び当該道路の存する地域の積雪寒冷の度に応じ、かつ、当該道路の設計速度、曲線半径、地形の状況等を勘案し、次の表の最大片勾配の欄に掲げる値(第三種の道路で自転車道等を設けないものにあつては、六パーセント)以下で適切な値の片勾配を附するものとする。ただし、第四種の道路にあつては、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、片勾配を附さないことができる。
(曲線部の車線等の拡幅) 第十七条 車道の曲線部においては、設計車両及び当該曲線部の曲線半径に応じ、車線(車線を有しない道路にあつては、車道)を適切に拡幅するものとする。ただし、第二種及び第四種の道路にあつては、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。 (緩和区間) 第十八条 車道の屈曲部には、緩和区間を設けるものとする。ただし、第四種の道路の車道の屈曲部にあつては、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。 2 車道の曲線部において片勾配を附し、又は拡幅をする場合においては、緩和区間においてすりつけをするものとする。 3 緩和区間の長さは、当該道路の設計速度に応じ、次の表の下欄に掲げる値(前項の規定によるすりつけに必要な長さが同欄に掲げる値をこえる場合においては、当該すりつけに必要な長さ)以上とするものとする。
(視距等) 第十九条 視距は、当該道路の設計速度に応じ、次の表の下欄に掲げる値以上とするものとする。
2 車線の数が二である道路(対向車線を設けない道路を除く。)においては、必要に応じ、自動車が追越しを行なうのに十分な見とおしの確保された区間を設けるものとする。 (縦断勾配) 第二十条 車道の縦断勾配は、当該道路の設計速度に応じ、次の表の下欄に掲げる値以下とするものとする。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、同欄に掲げる値に第一種、第二種又は第三種の道路にあつては三パーセント、第四種の道路にあつては二パーセントを加えた値以下とすることができる。
(登坂車線) 第二十一条 縦断勾配が五パーセント(高速自動車国道及び高速自動車国道以外の道路で設計速度が一時間につき百キロメートル以上であるものにあつては、三パーセント)をこえる車道には、必要に応じ、登坂車線を設けるものとする。 2 登坂車線の幅員は、三メートルとするものとする。 (縦断曲線) 第二十二条 車道の縦断勾配が変移する箇所には、縦断曲線を設けるものとする。 2 縦断曲線の半径は、当該道路の設計速度及び当該縦断曲線の曲線形に応じ、次の表の縦断曲線の半径の欄に掲げる値以上とするものとする。ただし、設計速度が一時間につき六十キロメートルである第四種第一級の道路にあつては、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、凸形縦断曲線の半径を千メートルまで縮小することができる。
3 縦断曲線の長さは、当該道路の設計速度に応じ、次の表の下欄に掲げる値以上とするものとする。
(舗装) 第二十三条 車道、中央帯(分離帯を除く。)、車道に接続する路肩、自転車道等及び歩道は、舗装するものとする。ただし、交通量がきわめて少ない等特別の理由がある場合においては、この限りでない。 2 車道及び側帯の舗装は、その設計に用いる自動車の輸荷重の基準を四十九キロニュートンとし、計画交通量、自動車の重量、路床の状態、気象状況等を勘案して、自動車の安全かつ円滑な交通を確保することができるものとして国土交通省令で定める基準に適合する構造とするものとする。ただし、自動車の交通量が少ない場合その他の特別の理由がある場合においては、この限りでない。 3 第四種の道路(トンネルを除く。)の舗装は、当該道路の存する地域、沿道の土地利用及ぴ自動車の交通の状況を勘案して必要がある場合においては、雨水を道路の路面下に円滑に浸透させ、かつ、道路交通騒音の発生を減少させることができる構造とするものとする。ただし、道路の構造、気象状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、この限りでない。 (横断勾配) 第二十四条 車道、中央帯(分離帯を除く。)及び車道に接続する路肩には、片勾配を付する場合を除き、路面の種類に応じ、次の表の下欄に掲げる値を標準として横断勾配を付するものとする。
2 歩道又は自転車道等には、二パーセントを標準として横断勾配を附するものとする。 3 前条第三項本文に規定する構造の舗装道にあつては、気象状況等を勘案して路面の排水に支障がない場合においては、横断勾配を付さず、又は縮小することができる。 (合成勾配) 第二十五条 合成勾配(縦断勾配と片勾配又は横断勾配とを合成した勾配をいう。以下同じ。)は、当該道路の設計速度に応じ、次の表の下欄に掲げる値以下とするものとする。ただし、設計速度が一時間につき三十キロメートル又は二十キロメートルの道路にあつては地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、十二・五パーセント以下とすることができる
2 積雪寒冷の度がはなはだしい地域に存する道路にあつては、合成勾配は、八パーセント以下とするものとする。 (排水施設) 第二十六条 道路には、排水のため必要がある場合においては、側溝、街渠、集水ますその他の適当な排水施設を設けるものとする。 (平面交差又は接続) 第二十七条 道路は、駅前広場等特別の箇所を除き、同一箇所において同一平面で五以上交会させてはならない。 2 道路が同一平面で交差し、又は接続する場合においては、必要に応じ、屈折車線、変速車線若しくは交通島を設け、又は隅角部を切り取り、かつ、適当な見とおしができる構造とするものとする。 3 屈折車線又は変速車線を設ける場合においては、当該部分の車線(屈折車線及び変速車線を除く。)の幅員は、第四種第一級の道路にあつては三メートルまで、第四種第二級又は第三級の道路にあつては二・七五メートルまで縮小することができる。 4 屈折車線及び変速車線の幅員は、三メートルを標準とするものとする。 5 屈折車線又は変速車線を設ける場合においては、当該道路の設計速度に応じ、適切にすりつけをするものとする。 (立体交差) 第二十八条 車線(登坂車線、屈折車線及び変速車線を除く。)の数が四以上である道路が相互に交差する場合においては、当該交差の方式は、立体交差とするものとする。ただし、交通の状況により不適当なとき又は地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ないときは、この限りでない。 2 道路を立体交差とする場合においては、必要に応じ、交差する道路を相互に連結する道路(以下「連結路」という。)を設けるものとする。 3 連結路については、第五条から第八条まで、第十二条、第十三条、第十五条、第十六条、第十八条から第二十条まで、第二十二条及び第二十五条の規定は、適用しない。 (鉄道等との平面交差) 第二十九条 道路が鉄道又は軌道法 (大正十年法律第七十六号)による新設軌道(以下「鉄道等」という。)と同一平面で交差する場合においては、その交差する道路は次に定める構造とするものとする。 一 交差角は、四十五度以上とすること。 二 踏切道の両側からそれぞれ三十メートルまでの区間は、踏切道を含めて直線とし、その区間の車道の縦断勾配は、二・五パーセント以下とすること。ただし、自動車の交通量がきわめて少ない箇所又は地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない箇所については、この限りでない。 三 見とおし区間の長さ(線路の最縁端軌道の中心線と車道の中心線との交点から、軌道の外方車道の中心線上五メートルの地点における一・二メートルの高さにおいて見とおすことができる軌道の中心線上当該交点からの長さをいう。)は、踏切道における鉄道等の車両の最高速度に応じ、次の表の下欄に掲げる値以上とすること。ただし、踏切遮断機その他の保安設備が設置される箇所又は自動車の交通量及び鉄道等の運転回数がきわめて少ない箇所については、この限りでない。
(待避所) 第三十条 第三種第五級の道路には、次に定めるところにより、待避所を設けるものとする。ただし、交通に及ぼす支障が少ない道路については、この限りでない。 一 待避所相互間の距離は、三百メートル以内とすること。 二 待避所相互間の道路の大部分が待避所から見とおすことができること。 三 待避所の長さは、二十メートル以上とし、その区間の車道の幅員は、五メートル以上とすること。 (交通安全施設) 第三十一条 交通事故の防止を図るため必要がある場合においては、横断歩道橋等、さく、照明施設、視線誘導標、緊急連絡施設その他これらに類する施設で国土交通省令で定めるものを設けるものとする。 (凸部、狭窄部等) 第三十一条の二 第四種第四級の道路又は主として近隣に居住する者の利用に供する第三種第五級の道路には、自動車を減速させて歩行者又は自転車の安全な通行を確保する必要がある場合においては、車道及びこれに接続する路肩の路面に凸部を設置し、又は車道に狭窄部若しくは屈曲部を設けるものとする。 (乗合自動車の停留所等に設ける交通島) 第三十一条の三 自転車道、自転車歩行者道又は歩道に接続しない乗合自動車の停留所又は路面電車の停留場には、必要に応じ、交通島を設けるものとする。 (自動車駐車場等) 第三十二条 安全かつ円滑な交通を確保し、又は公衆の利便に資するため必要がある場合においては、自動車駐車場、自転車駐車場、乗合自動車停車所、非常駐車帯その他これらに類する施設で国土交通省令で定めるものを設けるものとする。 (防雪施設その他の防護施設) 第三十三条 なだれ、飛雪又は積雪により交通に支障を及ぼすおそれがある箇所には、雪覆工、流雪溝、融雪施設その他これらに類する施設で国土交通省令で定めるものを設けるものとする。 2 前項に規定する場合を除くほか、落石、崩壊、波浪等により交通に支障を及ぼし、又は道路の構造に損傷を与えるおそれがある箇所には、さく、擁壁その他の適当な防護施設を設けるものとする。 (トンネル) 第三十四条 トンネルには、安全かつ円滑な交通を確保するため必要がある場合においては、当該道路の計画交通量及びトンネルの長さに応じ、適当な換気施設を設けるものとする。 2 トンネルには、安全かつ円滑な交通を確保するため必要がある場合においては、当該道路の設計速度等を勘案して、適当な照明施設を設けるものとする。 3 トンネルにおける車両の火災その他の事故により交通に危険を及ぼすおそれがある場合においては、必要に応じ、通報施設、警報施設、消火施設その他の非常用施設を設けるものとする。 (橋、高架の道路等) 第三十五条 橋、高架の道路その他これらに類する構造の道路は、鋼構造、コンクリート構造又はこれらに準ずる構造とするものとする。 2 橋、高架の道路その他これらに類する構造の道路は、その設計に用いる設計自動車荷重を二百四十五キロニュートンとし、当該橋、高架の道路その他これらに類する構造の道路における大型の自動車の交通の状況を勘案して、安全な交通を確保することができる構造とするものとする。 3 前二項に規定するもののほか、橋、高架の道路その他これらに類する構造の道路の構造の基準に関し必要な事項は、国土交通省令で、定める。 (附帯工事等の特例) 第三十六条 道路に関する工事により必要を生じた他の道路に関する工事を施行し、又は道路に関する工事以外の工事により必要を生じた道路に関する工事を施行する場合において、第四条から前条までの規定(第八条、第十三条、第十四条、第二十四条、第二十六条、第三十一条及び第三十三条を除く。)による基準をそのまま適用することが適当でないと認められるときは、これらの規定による基準によらないことができる。 (区分が変更する道路の特例) 第三十七条 一般国道の区域を変更し、当該変更に係る部分を都道府県道若しくは市町村道とする計画がある場合又は都道府県道の区域を変更し、当該変更に係る部分を市町村道とする計画がある場合において、当該部分を当該他の道路とすることにより第三条の規定による区分が変更することとなるときは、第四条、第五条、第六条第一項、第三項及び第五項、第八条第二項から第五項まで、第八項及び第十項、第九条第一項、第十条の二第三項、第十一条第一項、第二項及び第四項、第十一条の四第一項、第十二条、第十三条第一項、第十六条、第十七条、第十八条第一項、第二十条、第二十二条第二項、第二十三条第三項、第二十七条第三項、第三十条並びに第三十一条の二の規定の適用については、当該変更後の区分を当該部分の区分とみなす。 (小区間改築の場合の特例) 第三十八条 道路の交通に著しい支障がある小区間について応急措置として改築を行う場合(次項に規定する改築を行う場合を除く。)において、これに隣接する他の区間の道路の構造が、第五条、第六条第三項から第五項まで、第七条、第九条、第九条の二、第十条第三項、第十条の二第二項及び第三項、第十一条第三項及び第四項、第十一条の四第二項及び第三項、第十五条から第二十二条まで、第二十三条第三項並びに第二十五条の規定による基準に適合していないためこれらの規定による基準をそのまま適用することが適当でないと認められるときは、これらの規定による基準によらないことができる。 2 道路の交通の安全の保持に著しい支障がある小区間について応急措置として改築を行う場合において、当該道路の状況等からみて第五条、第六条第三項から第五項まで、第七条、第八条第二項、第九条、第九条の二、第十条第三項、第十条の二第二項及び第三項、第十一条第三項及び第四項、第十一条の四第二項及び第三項、第十九条第一項、第二十一条第二項、第二十三条第三項、次条第一項及び第二項並びに第四十条第一項の規定による基準をそのまま適用することが適当でないと認められるときは、これらの規定による基準によらないことができる。 2 道路の交通の安全の保持に著しい支障がある小区間について応急措置として改築を行う場合において、当該道路の状況等からみて第五条、第六条第三項から第五項まで、第七条、第八条第二項、第九条、第十条第二項、第十条の二第二項及び第三項、第十一条第三項及び第四項、第十一条の三、第十九条第一項、第二十一条第二項、次条第一項及び第二項並びに第四十条第一項の規定による基準をそのまま適用することが適当でないと認められるときは、これらの規定による基準によらないことができる。 (自転車専用道路及び自転車歩行者専用道路) 第三十九条 自転車専用道路の幅員は三メートル以上とし、自転車歩行者専用道路の幅員は四メートル以上とするものとする。ただし、自転車専用道路にあつては、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合においては、二・五メートルまで縮小することができる。 2 自転車専用道路又は自転車歩行者専用道路には、その各側に、当該道路の部分として、幅員〇・五メートル以上の側方余裕を確保するための部分を設けるものとする。 3 自転車専用道路又は自転車歩行者専用道路に路上施設を設ける場合においては、当該自転車専用道路又は自転車歩行者専用道路の幅員は、次項の建築限界を勘案して定めるものとする。 4 自転車専用道路及び自転車歩行者専用道路の建築限界は、次の図に示すところによるものとする。 5 自転車専用道路及び自転車歩行者専用道路の線形、勾配その他の構造は、自転車及び歩行者が安全かつ円滑に通行することができるものでなければならない。 6 自転車専用道路及び自転車歩行者専用道路については、第三条から第三十七条まで及び前条第一項の規定(自転車歩行者専用道路にあつては、第十一条の二を除く。)は、適用しない。 (歩行者専用道路) 第四十条 歩行者専用道路の幅員は、当該道路の存する地域及び歩行者の交通の状況を勘案して、二メートル以上とするものとする。 2 歩行者専用道路に路上施設を設ける場合においては、当該歩行者専用道路の幅員は、次項の建築限界を勘案して定めるものとする。 3 歩行者専用道路の建築限界は、次の図に示すところによるものとする。 4 歩行者専用道路の線形勾配その他の構造は、歩行者が安全かつ円滑に通行することができるものでなければならない。 5 歩行者専用道路については、第三条から第十一条まで、第十一条の三から第三十七条まで及び第三十八条第一項の規定は、適用しない。 附則 抄 (施行期日) 1 この政令は、昭和四十六年四月一日から施行する。 (道路構造令の廃止) 2 道路構造令(昭和三十三年政令第二百四十四号)は、廃止する。 附則 (昭和四六年三月三一日政令第九〇号) 抄 (施行期日) 1 この政令は、昭和四十六年四月一日から施行する。 附則 (昭和四六年七月二二日政令第二五二号) 抄 (施行期日等) 1 この政令は、道路法等の一部を改正する法律(昭和四十六年法律第四十六号)の施行の日(昭和四十六年十二月一日)から施行する。 附則 (昭和五一年三月三一日政令第六一号) 抄 (施行期日) 1 この政令は、昭和五十一年四月一日から施行する。 附則 (昭和五七年九月二五日政令第二五六号) 抄 (施行期日) 1 この政令は、昭和五十七年十月一日から施行する。 (経過措置) 2 この政令の施行の際現に新設又は改築の工事中の道路については、改正後の規定に適合しない部分がある場合においては、当該部分に対しては、当該規定は、適用しない。この場合において、当該規定に相当する改正前の規定があるときは、当該部分に関しては、なお従前の例による。 附則 (昭和六一年三月三一日政令第六四号) 抄 (施行期日) 1 この政令は、昭和六十一年四月一日から施行する。 附則 (平成五年一一月二五日政令第三七五号) 抄 (施行期日) 1 この政令は、公布の日から施行する。 (道路構造令の一部改正に伴う経過措置) 2 この政令の施行の際現に新設又は改築の工事中の道路については、第一条の規定による改正後の道路構造令の規定に適合しない部分がある場合においては、当該部分に対しては、当該規定は、適用しない。この場合において、当該規定に相当する同条の規定による改正前の道路構造令の規定があるときは、当該部分に関しては、なお従前の例による。 (罰則に関する経過措置) 3 この政令の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。 附則 (平成一二年六月七日政令第三一二号) 抄 (施行期日) 1 この政令は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。 附則 (平成一三年四月二五日政令第一七〇号) 抄 (施行期日) 第一条 この政令は、平成十三年七月一日から施行する。 (経過措置) 第二条 この政令の施行の際現に新設又は改築の工事中の道路については、改正後の規定に適合しない部分がある場合においては、当該部分に対しては、当該規定は適用しない。この場合において、当該規定に相当する改正前の規定があるときは、当該部分に関しては、なお従前の例による。 |
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