法律第七号


道路整備特別措置法をここに公布する。

御名 御璽

昭和三十一年三月十四日
内閣総理大臣 鳩山一郎

道路整備特別措置法


(この法律の目的)
第一条
 この法律は、その通行又は利用について料金を徴収することができる道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理を行う場合の特別の措置を定め、もつて道路の整備を促進し、交通の利便を増進することを目的とする。

(用語の定義)
第二条 
この法律において「道路」とは、道路法(昭和二十七年法律第百八十号。以下「法」という。)による道路をいう。

2 この法律において「道路管理者」とは、法第十八条第一項に規定する道路管理者をいう。

3 この法律において「料金」とは、日本道路公団(以下「公団」という。)又は道路管理者が道路の通行又は利用について徴収する料金をいう。

(公団の行う有料の道路の新設又は改築)
第三条
 公団は、一級国道、二級国道、都道府県道又は法第七条第三項に規定する指定市(以下単に「指定市」という。)の市道が次の各号に規定する条件に該当し、かつ、当該道路が都道府県道又は指定市の市道である場合においては、当該道路の新設又は改築が国の利害に特に関係がみると認められるものであるときに限り、法第十二条、第十三条第一項若しくは第二項、第十五条、第十六条第一項若しくは第二項本文、第十七条第一項若しくは第二項若しくは第八十八条第二項の規定又は法第十六条第二項ただし書若しくは第十九条第一項の規定に基き成立した協議(法第十六条第四項又は第十九条第四項の規定により成立したものとみなされる協議を含む。)にかかわらず、建設大臣の許可を受けて、当該道路を新設し、又は改築して、料金を徴収することがてきる。

一 当該道路の通行者又は利用者がその通行又は利用により若しく利益を受けるものであること。

二 通常他に道路の通行又は利用の方法があつて、当該道路の通行又は利用が余儀なくされるものでないこと。

2 公団は、前項の許可を受けようとするときは、設計図その他建設省令で定める書面を添附して、次に掲げる事項を記載した申請書を建設大臣に提出しなければならない。

一 路線名及び工事の区間
二 工事方法
三 工事予算
四 工事の着手及び完成の予定年月日
五 収支予算の明細
六 料金
七 料金の徴収期間

3 建設大臣は、前項の規定による申請書を受理した場合において、申請に係る道路の新設又は改築が第一項に規定する要件に該当し、かつ、申請書に記載された事項が適正であると認められるときに限り、第一項の許可をすることができる。

4 公団は、第一項の許可を受けた後、第二項第一号から第三号まで、第六号又は第七号に掲げる事項を変更しようとするときは、建設大臣の許可を受けなければならない。

5 公団は、第一項の許可を受けた後、第二項第四号又は第五号に掲げる事項のみを変更しようとするときは、建設大臣に届け出ることをもつて足りる。

6 建設大臣は、第一項若しくは第四項の許可をしたとき、又は前項の規定による届出があつたときは、その旨を当該道路の道路管理者に通知しなければならない。

(公団の行う有料の道路の維持、修繕等)
第四条
 公団は、前条第一項の許可(前条第四項の許可を含む。以下同じ。)を受けて新設し、又は改築した道路については、法第十四条第一項若しくは第二項、第十五条、第十六条第一項若しくは第二項本文、第十七条第一項若しくは第二項若しくは第八十八条第二項の規定、法第十六条第二項ただし書若しくは第十九条第一項の規定に基き成立した協議(法第十六条第四項又は第十九条第四項の規定により成立したものとみなされる協議を含む。)又は道路の修繕に関する法律(昭和二十三年法律第二百八十二号)第二条第一項の規定にかかわらず、第十条第二項の規定により公告する工事完了の日の翌日から第十四条第一項の規定により公告する料金の徴収期間の満了の日まで、当該道路の維持、修繕及び法第十四条第一項に規定する災害復旧(以下単に「災害復旧」という。)を行うものとする。

(公団の行う有料の道路の維持、修繕等の特例)
第五条
 公団は、第三条第一項の許可を受けて新設し、又は改築した道路の維持又は修繕に関する工事に特に多額の費用を要し、かつ、当該道路の道路管理者が当該道路の維持又は修繕に関する工事を行うことが著しく困難又は不適当であると認められるときに限り、建設大臣の許可を受けて、前条に規定する期間の経過後においても、当該道路の維持、修繕及び災害復旧を行つて、料金を徴収することができる。

2 公団は、前項の許可を受けようとするときは、第十四条第一項の規定により公告する料金の徴収期間の満了の日の六月前までに、次に掲げる事項を記載した申請書を建設大臣に提出しなければならない。
一 路線名並びに維持及び修繕を行う区間
二 維持及び修繕に関する工事の方法
三 維持及び修繕に関する工事に要する費用の見積
四 料金

3 建設大臣は、前項の規定による申請書を受理した場合において、申請に係る道路の維持及び修繕に関する工事が第一項に規定する要件に該当し、かつ、申請書に記載された事項が適正であると認められるときに限り、第一項の許可をすることができる。

4 公団は、第一項の許可を受けた後、第二項各号に掲げる事項を変更しようとするときは、建設大臣の許可を受けなければならない。

5 第三条第六項の規定は、建設大臣が第一項又は前項の許可をした場合に準用する。

(道路管理者との協議讐)
第六条
 公団は、第三条第一項の許可又は前条第一項の許可(前条第四項の許可を含む。以下同じ。)を受けようとする場合において、申請に係る道路が一級国道又は二級国道であるときは、あらかじめ、当該道路の道路管理者と協議し、都道府県道又は指定市の市道であるときは、あらかじめ、当該道路の道路管理者の同意を得なければならない。

2 前項の規定により道路管理者が協議に応じ、又は同意をしようとするときは、道路管理者である地方公共団体(都道府県知事又は市の長である道路管理者にあつては、その統轄する都道府県又は市)の議会の議決を経なければならない。

(道路管理者の権限の代行)
第七条
 公団は、第三条第一項の許可を受けて道路を新設し、又は改築する場合、第四条の規定により道路の維持、修繕及び災害復旧を行う場含又は第五条第一項の許可を受けて道路の維持、修繕及び災害復旧を行う場合においては、当該道路の道路管理者に代つてその権限のうち次の各号に掲げるものを行うものとする。
一 法第十八条第一項の規定により道路の区域を決定し、又は変更すること。
二 法第二十条第一項の規定により道路に関する工事及び道路の維持について協議すること。
三 法第二十一条第一項の規定により道路に関する工事を施行させ、及び道路の維持をさせること。
四 法第二十二条第一項の規定により道路に関する工事を施行させること。
五 法第二十三条第一項の規定により他の工事を施行すること。
六 法第二十四条本文の規定により道路に関する工事又は道路の維持を行うことを承認し、及び法第八十七条第一項の規定により当該承認に必要な条件を附すること。
七 法第三十一条第一項の規定により協議すること。
八 法第三十八条第一項(法第九十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定により道路の占用に関する工事を自ら施行すること。
九 法第四十条第二項(法第九十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定により必要な指示をすること。
十 法第四十五条第一項並びに第四十八条第一項及び第二項の規定により道路標識を設けること。
十一 法第四十六条の規定により道路の通行を禁止し、又は制限し、及び法第四十八条第三項の規定により通知すること。
十二 法第四十七条第二項の規定により必要な措置をすることを命ずること。
十三 法第七十一条第三項(法第九十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定により聴聞を行い、及び同条第一項又は第二項(法第九十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定により処分をし、又は措置を命ずること。ただし、法第三十二条第一項及び第三項、第三十七条第一項、第四十四条第四項並びに第四十七条第三項の規定に係るものを除く。
十四 法第九十一条第一項の規定により許可をすること。

2 公団は、前項の規定により当該道路の道路管理者に代つてその権限のうち前項第一号、第二号、第七号又は第十四号に掲げるものを行おうとするときは、あらかじめ、当該道路の道路管理者の意見をきき、これらの権限を行つたときは、遅滞なく、その旨を当該道協の道路管理者に通知しなければならない。

3 第一項の規定により公団が道路管理者に代つて行う権限は、公団が第三条第一項の許可を受けて道路を新設し、若しくは改築する場合又は第四条の規定により道路の維持、修繕及び災害復旧を行う場合にあつては、第十条第一項の規定により公告する工事開始の日から第十四条第一項の規定により公告する料金の徴収期間の満了の日までに限り行うことができるものとし、公団が第五条第一項の許可を受けて道路の維持、修繕及び災害復旧を行う場合にあつては、第十四条第一項の規定により公告する料金の徴収開始の日から行うことができるものとする。

(道路管理者の行う有料の道路の新設又は改築)
第八条 
道路管理者(都道府県及び市町村である場合に限る。以下この条、次条第一項、第十四条第二項、第十五条、第十六条第三項及び第二十三条において同じ。)は、道路の新設又は改築に要する費用の全部又は一部が償還を要するものであり、かつ、当該道路が第三条第一項各号に規定する条件に該当する易合に限り、建設大臣の許可を受けて、当該道路を新設し、又は改築して、料金を徴収することができる。

2 道路管理者は、前項の許可を受けようとするときは、あらかじめ、道路管理者である地方公共団体の議会の議決を経た上、設計図その他建設省令で定める書面を添付して、第三条第二項各号に掲げる事項及び元利償還年次計画を記載した申請書を建設大臣に提出しなければならない。

3 建設大臣は、前項の規定による申請書を受理した場合において、申請に係る道路の新設又は改築が第一項に規定する要件に該当し、かつ、申請書に記載された事項が適正であると認められるときに限り、第一項の許可をすることができる。

4 道路管理者は、第一項の許可を受けた後、第三条第二項第一号から第三号まで、第六号又は第七号に掲げる事項を変更しようとするときは、建設大臣の許可を受けなければならない。

5 道路管理者は、第一項の許可を受けた後、第三条第二項第四号若しくほ第五号に掲げる事項又は元利償還年次計画のみを変更しようとするときは、建設大臣に届け出ることをもつて足りる。

6 建設大臣は、市町村(指定市を除く。)である道路管理者に対し第一項の許可をしたときは、当該許可に係る道路の路線名及び工事の区間並びに工事方法を当該道路の路線の存する区域を管轄する都道府県知事に通知しなければならない。第四項の規定により道路の路湶名及び工事の区間又は工事方法の変更を許可したときも、同様とする。

(工事の廃止)
第九条 
公団は、第三条第一項の許可を受けた後、当該許可に係る道路の新設又は改築に関する工事を廃止しようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書を建設大臣に提出してその許可を受けなければならない。道路管理者が、前条第一項の許可(前条第四項の許可を含む。
以下同じ。)を受けた後、当該許可に係る道路の新設又は改築に関する工事を廃止しようとするときも、同様とする。
一 廃止しようとする路線名及び工事の区間
二 廃止の予定年月日
三 廃止の理由

2 建設大臣は、前項前段の許可をしたときは、遅滞なく、その旨を当該道路の道路管理者に通知しなければならない。

(公団の行う有料の道路に関する工事の公告)
第十条
公団は、第三条第一項の許可を受けた道路の新設又は改築に関する工事を行おうとするときは、あらかじめ、当該道路の路線名及び工事の区間、工事の種類並びに工事開始の日を官報で公告しなければならない。

2 公団は、前項に規定する工事の全部又は一部を完了し、又は工事を廃止しようとするときは、あらかじめ、前項の規定に準じてその旨を公告しなければならない。

(料金の額の基準)
第十一条 
料金の額は、第三条第一項、第五条第一項又は第八条第一項の許可に係る道路の通行又は利用により通常受ける利益の限度をこえないものでなければならない。

2 前項に規定するもののほか、同項の料金の額の基準は、政令で定める。

(料金徴収の対象)
第十二条
 料金は、第三条第一項、第五条第一項又は第八条第一項の許可に係る道路を通行し、又は利用する道路交通取締法(昭和二十二年法律第百二十号)第二条第四項に規定する諸車及び同条第七項に規定する無軌条電車から徴収する。ただし、同法第十条第三項に規定する緊急自動車その他政令で定める車両については、この限りでない。

2 トンネル及び橋並びに渡船施設、道路用エレべターその他政令で定める施設については、前項本文の規定にかかわらず、当該トンネル若しくは橋又は施設を通行、又は利用する人からも料金を徴収することができる。

(運輸大臣の意見の聴取)
第十三条
 建設大臣は、第三条第一項又は第八条第一項の許可をしようとするときは、第三条第二項第六号の料金に係る部分について、あらかじめ、運輸大臣の意見をきかなければならない。

2 前項の規定は、建設大臣が第五条第一項の許可をしようとする場合に準用する。この場合において、前項中「第三条第二項第六号」とあるのは、「第五条第二項第四号」と読み替えるものとする。

(料金の額及び徴収期間の公告又は公示)
第十四条 
公団は、料金を徴収しようとするときは、あらかじめ、その額及び徴収期間(第五条第一項の許可を受けて料金を徴収しようとするときは、徴収開始の日。以下この項において同じ。)を官報で公告しなければならない。当該料金の額又は徴収期間を変更しようとするときも、同様とする。

2道路管理者は、料金を徴収しようとするときは、あらかじめ、その額及び徴収期間を道路管理者である都道府県又は市町村の長の定める方法で公示しなければならない。当該料金の額又は徴収期間を変更しようとするときも、同様とする。

(有料の道路の工事の検査)
第十五条
 公団又は道路管理者は、第三条第一項又は第八条第一項の許可を受けた道路の新設又は改築に関する工事の途中において、建設省令で定めるところにより、公団又は都道府県若しくは指定市である道路管理者にあつては建設大臣、市町村(指定市を除く。)である道路管理者にあつては都道府県知事の検査を受けなければならない。工事が完了したときも、同様とする。

2 建設大臣又は都道府県知事は、前項の規定による検査の結果当該道路の構造が第三条第一項又は第八条第一項の許可を受けた工事方法に適合しないと認めるときは、それぞれ公団又は当該道路の道路管理者に対し、当該道路の構造が当該許可を受けた工事方法に適合することとなるように工事方法の変更その他必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(有料の道路の供用の開始)
第十六条
 公団は、前条第一項後段の規定による検査に合格したときは、その旨を当該道路の道路管理者に通知しなければならない。

2 前項の通知を受けた道路管理者は、遅滞なく、当該道路の供用を開始しなげればならない。

3 第八条第一項の許可を受けた道路管理者は、前条第一項後段の規定による検査に合格した後でなければ、当該道路の供用を開始してはならない。

(道路管理者が権限を行う場合の意見の聴取等)
第十七条 
道路管理者は、公団が第三条第一項の許可を受けて新設し若しくは改築し、第四条第一項の規定により維持、修繕及び災害復旧を行い、又は第五条第一項の許可を受けて維持、修繕及び災害復旧を行う道路(以下「公団の管理する道路」という。)について、次の各号に掲げる権限を行おうとするときは、あらかじめ、公団の意見をきかなければならない。
一 法第二十条第一項の規定により道路の管理の方法(工事の施行及び維持を除く。)について協議すること。
二 法第三十二条第一項又は第三項(法第九十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定により許可をすること。
三 法第三十四条(法第九十一条第二項において準用する場合を含む。)及び第八十七条第一項(法第九十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定により条件を附すること。
四 法第三十五条(法第九十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定により協議すること。
五 法第三十七条第一項(法第九十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定により道路の占用を禁止し、又は制限すること。
六 法第四十四条第一項(法第九十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定により道路に接続する区域を沿道区域として指定し、又は同条第四項(法第九十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定により必要な措置を講ずべきことを命ずること。
七 法第四十七条第三項の規定により必要な措置を講ずべきことを命ずること。
八 法第七十一条第一項又は第二項(法第九十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定により法第三十二条第一項若しくは第三項、第三十七条第一項、第四十四条第四項又ば第四十七条第三項の規定に係る許可等について処分をし、又は措置を命ずること。

2 道路管理者は、公団の管理する道路について、前項各号に掲げる権限を行つたときは、遅滞なく、その旨を公団に通知しなければならない。

(道路管理者に対する処分等の請求)
第十八条 
公団は、公団の管理する道路の管理に関し必要があると認めるときは、当該道路の道路管理者に対して、必要な処分等をすることを求めることができる。

(公団の行う有料の道路の管理に関する費用)
第十九条 
公団の管理する道路の管理に関する費用は、この法律及び日本道路公団法(昭和三十一年法律第六号)に特別の規定がある場含を除くほか、公団の負担とする。

(兼用工作物の費用)
第二十条 
前条の規定により公団の負担すべき道路の管理に関する費用で、当該道路が他の工作物(法第二十条第一項に規定する他の工作物をいう。以下この条において同じ。)と効用を兼ねるものに関するものについては、公団は、他の工作物の管理者と協議してその分担すべき金額及び分担の方法を定めることができる。

2 前項の場合において、他の工作物が河川法(明治二十九年法律第七十一号)第四条第二項に規定する河川の附属物であるときは、同法第三十条の規定を適用する。

3 第一項の規定による協議が成立しない揚合においては、公団又は当該他の工作物の管理者は、建設大臣及び当該他の工作物に関する主務大臣に裁定を申請することができる。

4 建設大臣及び当該他の工作物に関する主務大臣は、前項の規定による申請に基いて裁定をしようとする場合においては、公団及び当該他の工作物の管理者の意見をきかなければならない。

5 前項の規定により建設大臣及び当該他の工作物に関する主務大臣が裁定をした場合においては、第一項の規定の適用については、公団と当該他の工作物の管理者との協議が成立したものとみなす。

(道路に関する費用についての道路法の規定の準用)
第二十一条 
法第五十七条から第六十条まで、第六十一条第一項及び第二項、第六十二条並びに第六十三条の規定は、公団の管理する道路について準用する。この場合において、法第五十七条中「道路管理者以外の者」とあるのは、「道路管理者及び日本道路公団以外の者」と、同条中「同条の規定により道路管理者の認を受けた者」とあるのは「道路整備特別措置法第七条第一項第六号の規定により第二十四条本文の規定による道路管理者の権限を代つて行う日本道路公団の承認を受けた者」と、法第五十八条第一項、第五十九条第三項又は第六十一条第一項中「道路管理者」とあるのは「日本道路公団」と、法第六十条本文中「第二十一条第一項の規定によつて道路管理者」とあるのは「道路整備特別措置法第七条第一項第三号の規定により第二十一条第一項の規定による道路管理者の権限を代って行う日本道路公団」と、法第六十一条第二項中「道路管理者である施方公共団体の条例」とあるのは「政令」と、法第六十二条後段中「第三十八条第一項の規定により道路管理者」とあるのは「道路整備特別措置法第七条第一項第八号の規定により第三十八条第一項の規定による道路管理者の権限を代つて行う日本道路公団」と読み替えるものとする。

(国の行う事業等に対する負担金の徴収)
第二十二条 
法第三十五条に規定する事業に対する前条において準用する法第五十八条第一項、第五十九条第三項、第六十条ただし書、第六十一条第一項及び第二項並びに第六十二条後段の規定による負担金の額の決定並びにその徴収方法については、これらの基準を政令で定めることができる。

(収入の帰属)
第二十三条
 第三条第一項及び第五条第一項の規定に基く料金並びに第二十一条において準用する法第五十八条第一項、第五十九条第三項、第六十条ただし書、第六十一条第一項及び第六十二条後段の規定に基く負担金は、公団の収入とし、第八条第一項の規定に基く料金は、道路管理者の収入とする。

(業務履行のために要する費用)
第二十四条 
この法律又はこの法律に基く命令によつて公団がする処分による義務を履行するために必要な資用は、当該義務者が負担しなければならない。

(負担金等の強制徴収)
第二十五条 
法第七十三条の規定は、第三条第一項及び第五条第一項の規定に基く料金並びに第二十一条において準用する法第五十八条第一項、第五十九条第三項、第六十条ただし書、第六十一条第一項及び第六十二条後段の規定に基く負担金について準用する。この場合において、法第七十三条第一項中「道路管理者(一級国道又は二級国道にあつては道路管理者である都道府県知事の統轄する都道府県。以下本条中同じ。)」とあるのは「日本道路公団」と、同条第二項又は第三項中「道路管理者」とあるのは「日本道路公団」と、同条第二項中「条例」とあるのは「政令」と読み替えるものとする。

(法令違反等に関する監督)
第二十六条
 建設大臣は、次の各号の一に該当する場合においては、公団の管理する道路に関し、公団に対して、その処分の取消、変更その他必要な処分を命じ、又はその工事の中止、変更、施行若しくは道路の維持のため必要な措置をすることを命ずることができる。
一 公団のした処分又は工事が法及びこの法律若しくはこれらに基く命令又はこれらに基いて建設大臣がした処分に違反すると認められる場合
二 道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため特に必要があると認められる場合

2 前項の規定による建設大臣の処分により公団が自己の処分を取り消し、又は変更したことにより、損失を受けた者がある場合においては、公団は、損失を受けた者に対し通常生ずべき損失を補償しなければならない。

3 法第六十九条第二項及び第三項の規定は、前項の場合に準用する。この場合において、同条第二項又は第三項中「道路管理者」とあるのは、「日本道路公団」と読み替えるものとする。

(道路の管理に関する勧告等)
第二十七条 
建設大臣は、公団に対して、公団の管理する道路の管理に関し必要な勧告、助言又は援助をすることができる。

(公団が取得する有料の道路の敷地等の帰属)
第二十八条 
公団が道路の新設又は改築のために取得した道路を構成する敷地又は支壁その他の物件は、公団に帰属する。

2 普通財産である国有財産は、公団が一級国道、二級国道、都道府県道又は指定市の市道の用に供する易合においては、国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第二十二条の規定にかかわらず、公団に無償で貸し付けることができる。

(訴願)
第二十九条 
公団がした次の各号の一に掲げる処分について不服のある者は、処分のあつた日から三十日以内に建設大臣に訴願することができる。

一 第七条第一項第三号又は第四号の規定により公団が道路管理者に代つてする法第二十一条第一項又は第二十二条第一項の規定による命令
二 第七条第一項第五号又は第八号の規定により公団が道路管理者に代つて法第二十三条第一項又は第三十八条第一項(法第九十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による工事を自ら施行すること。
三 第七条第一項第六号の規定により公団が道路管理者に代つてする法第二十四条本文の規定による承認を与えないこと。
四 第七条第一項第九号の規定により公団が道路管理者に代つてした法第四十条第二項(法第九十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定に基く指示
五 第七条第一項第十一号又は第十二号の規定により公団が道絡管理者に代つてした法第四十六条又は第四十七条第二項の規定に基く通行の禁止又は制限

その他の処分
六 第七条第一項第十三号の規定により公団が道路管理者に代つてした法第七十一条第一項又は第二項(法第九十一条第二項において準用する場舎を含む。)の規定に基く処分
七 第七条第一項第十四号の規定により公団が道路管理者に代つてする法第九十一条第一項の規定による許可を与えないこと。
八 第二十一条において準用する法第五十八条第一項、第五十九条第三項、第六十条ただし書、第六十一条第一項及び第六十二条後段の規定により公団が課した負担金の額の決定
九 第二十五条において準用する法第七十三条第一項から第三項までの競定により公団がした処分
十 法第七十二条第三項(法第九十一条第二項において準用する場舎を含む。)の規定により公団が補償金の負担を命じたこと又はその負担額の決定

2 法第九十六条第六項の規定は、前項の規定による訴願の裁決に不服がある者について準用する。

(道路法の適用)
第三十条 
この法律による道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理については、この法律に定めるものを除くほか、法(第五十条から第五十三条までを除く。)の規定の適用があるものとする。この場合において、公団の管理する道路を公団が管理し、又は管理しようとするときにおいては、法第二条第二項、第四十二条第一項、第六十六条第一項、第六十八条、第六十九条、第七十条第一項、第三項若しくは第四項、第七十一条第四項、第七十二条第一項若しくは第三項又は第九十二条第四項中「道路管理者」とあるのは「日本道路公団」と、法第二十四条中「道路管理者以外の者」とあるのは「道路管理者及び日本道路公団以外の者」と、法第七十一条第四項中「その吏員のうちから道路監理員を命じ、第二十四条、第三十二条第一項若しくは第三項、第三十七条、第四十条、第四十三条、第四十四条第三項若しくは第四項、第四十六条若しくは第四十七条の規定又はこれらの規定に基く処分」とあるのは「その職員のうちから道路監理員を命じ、第二十四条、第四十条、第四十三条、第四十六条若しくは第四十七条第二項の規定又は道路整備特別措置法第七条第一項第六号、第九号、第十一号若しくは第十二号の規定により日本道路公団が代つてするこれらの規定に基く処分」と、法第七十二条第一項中「第二十四条又は第三十二条第一項若しくは第三項の規定による承認又は許可」とあるのは「道路整備特別措置法第七条第一項第六号の規定により日本道路公団が代つてする第二十四条本文の規定による承認」とする。

2 法第十条、第七十四条及び第八十五条の規定は、公団の管理する道路については適応しない。

3 この法律の規定により道路管理者に代つてその権限を行う公団は、法第八章(第百六条を除く。)の規定の適用については、道路管理者とする。

附則

(施行期日)
第一条
 この法律は、公布の日から起算して三月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。

(旧法の廃止)
第二条 
道路整備特別措置法(昭和二十七年法律第百六十九号。以下「旧法」という。)は、廃止する。

(経遇規定)
第三条 
この法律(以下「新法」という。)の施行の際現に旧法第三条第一項の規定により建設大臣が新設し、又は改築している道路については、公団が当該道路の新設又は改築を行うものとする。この場合において、旧法第三条第一項の規定に基き建設大臣が決定した当該道路の路線名及び工事の区間、工事方法並びに工事予算は、公団が新法第三条第一項の許可を受けた事項とみなして同法の規定を適用する。

2 公団は、公団の成立の日から一年以内に、前項の規定により公団が新設し、又は改築する道路に係る工事の完成の予定年月日、収支予算の明細、料金及びその徴収期間について建設大臣の許可を受けなければならない。この場合において、建設大臣のした許可は、新法第三条第一項の許可とみなして同法の規定を適用する。

第四条 新法の施行の際現に旧法第三条第一項の規定により建設大臣が新設し、又は改築して料金を徴収している道路についでは、公団が当該道路の維持、修繕その他の管理を行うものとする。この場合において、建設大臣が旧法第三条第一項の規定に基き決定し、かつ、同条第五項の規定により告示した料金の額及び徴収期間は、それぞれ公団が新法第三条第一項の許可を受け、かつ、同法第十四条第一項の規定により公告した料金の額及び徴収期間とみなして同法の規定を適用する。

第五条 新法の施行の際現に旧法第六条第一項の規定により道路管理者が新設し、若しくは改築し、又は料金を徴収している道路については、旧法第六条、第八条から第十条まで及び第十三条の規定は、なおその効カを有する。この場合において、これらの規定の適用については、同法第八条第三項若しくは第四項又は第九条中「建設大臣」とあるのは、「日本道路公団」とする。

2 公団は、前項に規定する道路の道路管理者と協議して、新設し、又は改築している道賂にあつては当該道路の新設又は改築、料金を徴収している道路にあつては当該道路の維持、修繕その他の管理を自ら行うことができる。

3 前項の規定による協議が成立して公団が行う当該道路の新設又は改築は、新法第三条第一項の許可を受けて公団が行う新設又は改築とみなし、前項の規定による協議が成立して公団が行う当該道路の維持、修繕その他の管理は、同法第四条の規定によつて公団が行う維持、修繕その他の管理とみなし、当該道路の道路管理者が旧法第六条第八項の規定により告示した料金の額及び徴収期間は、公団が新法第十四条第一項の規定により公告した料金の額及び徴収期間とみなして同法の規定を適用する。

4 第二項の規定により道路管理者が協議に応じようとするときは、道路管理者である地方公共団体(都道府県知事である道路管理者にあつては、その統轄する都道府県)の議会の議決を経なければならない。

5 第二項の規定により協議が成立した場合においては、公団は、当該協議について建設省令で定める手続に従い、建設大臣に報告しなければならない。

第六条 旧法又は旧法に基く命令によつてした処分、手続その他の行為は、附則第三条から前条までに規定するものを除くほか、新法中これに相当する規定がある場合には、それぞれ新法の規定によつてしたものとみなす。

大蔵大臣   一万田尚登
建設大臣   馬場元治
内閣総理大臣 鳩山一郎