建設省令第三十八号


道路整備特別措置法 (昭和三十一年法律第七号)を実施するため、有料道路自動料金収受システムを使用する料金徴収事務の取扱いに関する省令を次のように定める。
平成十一年八月二日

 有料道路自動料金収受システムを使用する料金徴収事務の取扱いに関する省令

(趣旨)
第一条
 道路整備特別措置法 (以下「法」という。)第二条第三項 に規定する料金(以下「料金」という。)の徴収について有料道路自動料金収受システム(当該料金の徴収を自動化するための機器及びこれを作動させるシステムの集合体をいい、以下「ETCシステム」という。)を使用する場合における当該料金の徴収事務の取扱いについては、他の法令に定めるもののほか、この省令の定めるところによる。

(ETCシステムの使用についての公告等)
第二条
 日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団、本州四国連絡橋公団若しくは地方道路公社(以下「公団等」という。)又は都道府県若しくは市町村である道路管理者は、ETCシステムを使用して料金の徴収をしようとするときは、あらかじめ、公団等にあっては官報(地方道路公社にあっては定款に規定する方法)で公告し、都道府県又は市町村である道路管理者にあっては当該都道府県又は市町村の定める方法で公示するものとする。

 2  公団等又は都道府県若しくは市町村である道路管理者は、前項の規定による公告又は公示をした場合においては、ETCシステムの利用規程その他必要な事項を周知する措置を講ずるものとする。

(料金徴収の対象)
第三条
 ETCシステムを使用して法第十二条第一項 の自動車又は車両から料金を徴収する場合においては、当該料金を納付するためETCシステムに道路を通行したことを記録した者から徴収するものとする。

(情報の安全確保の措置)
第四条
 ETCシステムを使用して料金を徴収する公団等又は都道府県若しくは市町村である道路管理者(以下「自動料金徴収者」という。)は、次に掲げる基準に従い、ETCシステムにおける情報の不正記録の防止、記録された情報の漏えい、滅失又はき損の防止その他の情報の適切な管理(以下「情報の安全確保」という。)を行うものとする。
 一  関連機器(ETCシステムの用に供する料金徴収設備、車載器(法第十二条第一項 の自動車又は車両に搭載して無線の交信により道路を通行したことを記録するための装置をいう。)及び識別カード(前条の規定により料金を納付しようとする者を識別して車載器を作動させるためのカードをいう。)をいう。以下同じ。)を製造し、又は供給するために必要な規格のうち情報の安全確保のため必要なもの(以下「情報安全確保規格」という。)を関連機器を製造し、又は供給する者に提供する場合においては、これらの者による製造又は供給以外の目的で用いられないようにすること。
 二  識別処理情報(料金を納付しようとする者の識別その他料金の徴収に必要な情報で暗号化されたもの及びこれにより関連機器を正常に作動させるため必要な情報をいう。以下同じ。)が関連機器ごとに的確に付与されるように必要な措置を講ずること。
 三  前二号に規定する措置に求められる確実性及び効率性並びに複数の有料道路(その通行又は利用について料金が徴収される道路をいう。)を通行し、又は利用することのあるべき道路の通行者又は利用者一般の利便に照らし、これらの措置の一元的な実施を確保するものとし、このため、自動料金徴収者は、共同して、情報の安全確保の確実かつ効率的な実施を目的として設立された民法 (明治二十九年法律第八十九号)第三十四条 の財団法人に次に掲げる業務を行わせること。
  イ 情報安全確保規格の提供を代行すること。
  ロ 対価を得て識別処理情報の付与を行うこと。

 2  前項第三号の財団法人は、次に掲げる要件を満たすものでなければならない。
 一  前項第三号に規定する業務の実施に関する職員、設備その他業務を実施する体制がこれらの業務の一元的で確実かつ効率的な実施のために適切なものであること。
 二  前号の業務の実施に必要な経理的及び技術的な基礎を有するものであること。
 三  業務の実施状況の開示、個人情報の保護その他業務の公正な実施を確保するための措置が適正に行われるものであること。

 附則
(施行期日)

1 この省令は、公布の日から施行する。

(試行についての不適用)
2 この省令は、ETCシステムの作動を確認するため試行的に行うETCシステムの使用については適用しない。